英文誌の冊子体廃止と「日本生態学会、種生物学会と連携した英文誌の一括出版契約」について

個体群生態学会会員の皆様

 昨年の総会で説明しましたが,冊子体はWiley移行前の今年から廃止することになりました。それに伴い,2018年度より,年会費が冊子体ありだった方もなしの方と同じになります。すなわち,正会員7500円,学生会員2500円となります。近日中に送られる振込用紙には上記金額で請求させていただきます。自動引き落としの方も上記金額を引き落とさせていただきます。また,すでに2018年度(今年9月から)の会費を早々に支払わっていただいた方には別途連絡します。事後になりましてたいへん申し訳ありません。
 英文誌の合同編集体制については既に昨年7月に椿前会長からメールでのアナウンスがあり、その後、理事会を中心とするメンバーで議論を続けてきましたが、2019年よりPopulation Ecology誌を、日本生態学会のEcological Research誌(ER)と種生物学会のPlant Species Biology誌(PSB)と合わせて一括でWileyから出版する契約を結ぶ方向で調整を進めています。なお,これまでPE誌の著作権は学会と著者が持つかたちになっていましたが,今後はほかの2誌と同様,学会保持に一本化されます。例えば図表の引用など,今までは出版社と著者の両方の転載許可手続きが必要でしたが,今後は出版社だけの許可手続きで可能になります。これについては昨年の総会に諮るべきところ,事後になり,申し訳ありませんでした。
 また,今年の総会で議論しますが,現在進められている契約条件では、日本生態学会への3誌のジャーナル所有権の移管・統合を行い、3誌は日本生態学会から出版されることも含まれています。一方、各誌の編集体制は各学会が独立した編集組織を持って行い、雑誌の形態はほとんど変わりません。統合契約を行うことにより、スケールメリットを活かした出版システム運用が可能になり、編集委員、査読者、投稿者など、出版に関連する個人情報の一元化ができるなど,出版社にとっても我々にとってもメリットが大きいと見込まれます。実際、出版社から3誌一括の契約を強く要望されており、一括契約すればシステム管理に掛かる経費が大幅削減され、著作権を持つ日本生態学会が経費の多くを支払うため、個体群生態学会の財政負担は最小限となります。会計手続き等の業務が大幅に削減されるため、より学術的な活動にエネルギーと学会資産を振り分けることが出来るようになると考えています。
 このような運用上の大きなメリットがある一方、雑誌の所有権などが日本生態学会に移った場合は、個体群生態学会が独立学会として存在する意義が改めて問われることになり、日本生態学会の傘下団体になることさえ考えられます。各誌の編集体制が独立したものであっても、日本生態学会が所有する3誌が日本生態学会誌の名の元でWeb公開されるのであれば、イギリス生態学会やアメリカ生態学会が複数の雑誌を発行している状況に近くなり、Population Ecologyは日本生態学会の雑誌であるという認識が世界に広がることになるでしょう。
 Population Ecologyは1952年から67年もの間、個体群生態学の国際的なトップジャーナルとしての役割を果してきました。投稿される論文も8割以上が海外からのものであり、編集委員も半数以上が海外の研究者です。大幅な経費と労力の削減メリットがあるとはいえ、所有権移行を決断することは、理事会メンバーにとっても重大な決断になると考えて、学会員の皆様、編集委員の皆様に本メールをお送りする次第です。椿前会長のアナウンスにある通り,現実問題として学会の会員数は減少の一途をたどっていて(268名うち外国会員4名、2017年8月現在),学会を維持できる最低の規模です。また論文投稿数も減り続けており、2017年の掲載数は34本380ページで、年間4冊の契約が難しい状況です。雑誌出版の統合は別に、他学会と合併する検討もなされて良い状況であります。
 3誌が合同で編集することは去年の総会で理事会に一任いただいていますが,雑誌所有権の移管・統合について、その賛否などの御意見があれば早めに(2018年9月14日〆)理事会までご連絡ください。もし、個体群生態学会が所有権を維持する方向を希望される場合には、どうやって個体群生態学会を今後維持できるかについても御提案いただけると大変ありがたいです。

個体群生態学会長 松田裕之